【活動報告】2022.08.20日本をもっと知りたい会

今回の企画は江戸切子づくり体験です。昨年11月、1回目の江戸切子体験FWを開催しましたが、都合で参加できなかった方々からの強い要望を受け再企画しました。前回同様、切子職人で初めて瑞宝単光章を受章したほか、「日本・東京都伝統工芸士」にも認定され、さらに東京都名誉都民に顕彰されている江戸切子の匠、瀧澤利夫先生にご指導をお願いしました。

皆さんドキドキしながら作業を開始しましたが、先生のご指導のもと、小皿への割付け(カットの基本線を入れる)→摺り(ダイヤモンドホイールを使い硝子をカットする)へと工程はスムーズに進み、あっという間に完了しました。また、独創性溢れる華麗なデザインに挑戦する方もおられ、先生も絶賛されるなか、皆さんは自分の作品を手に取り満足げに眺めていました。後日、磨き上げられた完成作品を見るのが楽しみです。

作業後は、皆さんの作品や匠の工芸品を前に、江戸切子や職人人生についてのお話を伺いました。

社会環境が大きく変化する中、伝統を守る苦労や対応の大変さも吐露されました。現在、グラス(生地)の調達は遠く小樽に発注しているとのことで、理由は工房近隣にあった硝子工場が環境問題で撤退したからです。販売チャネルはインターネットの普及により多様化し、全国のお客様が手軽に購入できるようになりました。その一方で、現物を手に取り手触りや重さを感じて購入する従来のお客様には対面の安心感をもって対応されています。このように、いずれのお客様にも感謝の気持ちを忘れることなく、時代の流れに逞しく対応する匠の姿勢が印象的でした。

最後に、勲章や表彰に恥じない作品づくり、「江戸切子の粋」を表現する作品づくりを常に心掛けているとの信念を示され、80歳を超えても輝き続ける豊かな人間性と職人としての誇りやプライドを見せつけられた思いでした。そして、毎日ウォーキングを励行し、仕事のための体力維持に努力されていることも知りました。「好奇心を持って挑戦し続けることが、元気と若さを保つ秘訣ですよ。皆さんも頑張って下さい」と貴重なアドバイスをいただき、あらためて私たち自身がこれからの過ごし方を考えさせられる1日となりました。

参加者の皆さんから寄せられた感想をご紹介します(抜粋)。

・先生(匠)のサポートのお陰でそれなりのものが出来たと喜んでいます。先生から「自分が見せたサンプルとは違うデザインに挑戦するのはとてもいいことだ」との有り難いコメントも頂きました。人間味溢れる先生の講話にも感じ入り参加して非常に有意義でした。

・ユーモア溢れる瀧澤先生のお人柄と作品に込められる思いに触れることができ、貴重な体験をさせていただきました。不器用なので、果たして「削り」が上手く出来るかどうか不安でしたが、匠のご指導のもと、思いの外面白くて楽しい切子づくりの時間でした。

・物を作るということは(多くを先生の瀧澤さんに頼ってしまいましたが)、達成感が一入ですね。何よりも80歳を超えられてなお創造的なお仕事をされている瀧澤さんにお会いして、生涯現役とはこういうことなのだとつくづく感じ入りました。

・あらかじめお知らせいただいた動画で作業について大体想像できましたが、いざ手に取ってみるとガラスの加工がいかに繊細なものか実感できました。先生は謙遜されて冗談混じりに、機材や道具をそろえる資金力さえあれば誰でもできるようなことをおっしゃっていましたが、いやいや、あの境地に至るまでにどれほど研鑽を積まれたのやら。お話にもその長い歴史を感じずにはいられませんでした。

・当日の体験だけではなく、事前資料をいただいたり、顔合わせ(事前学習)の時間もあったり、そういったところもカレッジのFWに近いのだと思います。また、皆さん自身も楽しんでいらしてチームワークの良い雰囲気が伝わってくるから、和やかな会になるのだと思います。また次回も参加して楽しませていただきたいと思います♪

・江戸切子に興味があり、今回瀧澤先生から直接購入できる機会がありましたので思い切りました。グラスが美しいのはもとより重量感と安定感があり使い勝手がよく一生大事に使いたいと思っています。また、瀧澤先生のお言葉にこれからの生き方を励ましていただき何事にも興味をもち、チャレンジャーでありたいと思いました。自分の作品を創るのは楽しいものでできあがった作品も使いながら楽しいひと時を思い出すことができうれしいです。

・幹事のみなさま、本当にありがとうございました。計画はもちろん当日も細部にまで気を配っていただいて、とても楽しく過ごせました。今回、色々と知らなかったことを勉強でき、有り難く思います。次回にも期待が高まります。

皆さん、出来上がったご自分の作品を早く見たいですよね。

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