今回の古地図散歩は快晴に恵まれました。たくさんの皆様にご参加頂き、高層オフィス・ビルの谷間に清々しい春の風が吹く中で楽しいひと時となりました。
集合は有楽町駅前。スタート地点の傍らには、江戸幕府の南町奉行所跡の碑が建っていました。ゴール地点は東京駅の日本橋口でしたが、そこは同じく北町奉行所の跡地。南町奉行所から北町奉行所の間を巡るコース設定でした。二つの奉行所は意外に近かったのです。
有楽町では旧東京都庁の跡地に建つ東京国際フォーラムへ。新宿に移転前の旧庁舎の展示物を見学。江戸時代は土佐藩山之内家と徳島藩蜂須賀家の上屋敷でした。すぐ傍には室町時代に江戸城を最初に作った太田道灌(おおたどうかん)の像が歴史的建造物の移り変わりを見守っていました。
「一丁倫敦(ロンドン)」と呼ばれた三菱一号館~四号館がひしめいていた「馬場先通り」、「一丁紐育(ニューヨーク)」と呼ばれた「行幸通り」。オフィス・ビルは最近の再開発で見違えるほどの美しさです。再開発の際に随所に建物の一部が復元されて残され、建築当時の趣を感じることができました。
東京駅のステーションホテルでは地下に数メートル潜入しました。そこでは地盤改良のために敷き詰めせれた「松の杭」の展示に遭遇。駅舎やオフィス・ビルを支えるために1万本以上埋められたのだとか。丸ビルの1階にも10メートル以上の松の杭が展示されていました。低湿地に大名屋敷街が作られ、それが日本初のオフィス・ビルに変身しましたが、それを支えた松の杭に先人達の知恵と苦労を感じ取ることができました。
次回の古地図散歩の会は、秋口に2回開催したいと考えております。面白いコースをご用意致しますので、ご応募してみてください。お待ちしております。
『古地図散歩の会』世話人 深田武寛
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