開催日: 2022年7月21日(木)
開催場所: オンライン
出席者[入会順、敬称略]: 荻野、関、増山、森本、宮嶋、深田、柳下、鈴木
<発表内容> 関
今回は、第4段、国生みについて解説しました。ここは、本伝と一書として異伝10で、計11の伝承があります。
本伝は、第三段までの道の働きで化生した神から、男女の営みによって国が誕生するという、新しい展開になっていきます。
男女の営みから国生みまで、協議、結婚、出産という三部構成で展開しており、その結婚には厳粛な儀礼を重んじる手順やルールが存在することを解説しました。
陰陽の男女の神(イザナギ イザナミ)がその儀礼的な行いに則り、意志と責任をもって生んだ国、大八州国の位置づけとは何なのか?!それは、最終的に国の主となる天皇にとって、この国は神によってつくられた神聖な国である!ということを知らしめることを目的にしたのだろうと結論づけました。
最後に、国生みの順番の解説において、淡路島、越州、對馬、壱岐のそれぞれの存在価値や位置づけについての疑問に、皆さんからも多くのご意見をいただきました。あらためて考察を深めたいと思っています。ありがとうございました。
<感想> 深田
弥生時代末期、アジアの中心の中華帝国は漢王朝の衰退・崩壊に至り、混沌とした国際情勢を生み出しました。この動きに押しつぶされまいとするかの如く、倭国と朝鮮半島でも”王様”と”王墓”、そして”国”が生まれていきました。東アジア諸国の王家の建国神話は少なからずユーラシア大陸の神話の影響を受けていると言われます。ギリシャ神話にも似た話があるらしい。
イザナミ・イザナキによる国生み⇒天孫降臨⇒東征⇒建国というヤマト王権の権威付けのために作られた建国プロセスの最初のお話。人間界に降りてきた神様が天皇家の祖先である。その前にまずは8つの島が生み出され、最初に生まれた島が淡路島であると。なぜ淡路島が最初に生まれたことになっているのか?
天武天皇の乳母の一族から伝わった淡路島に住む一族に伝わる神話を再構築したという説があるとの解説があり、腑に落ちました。神話の伝承の出どころを探っていくことで歴史を読み解く面白さが増していくと感じました。
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