今回のコースは、「江戸城外堀一周」を5回に分けて歩く1回目。出発点の堀留橋から東京駅まで。快晴に恵まれ、たくさんの皆様にご参加頂き、楽しいひと時となりました。
今回のコースでは、首都高速道路が頭上を走る「日本橋川」の川沿いを多く歩きました。日本橋川は、旧平川の流路を変更し、その一部が江戸城外堀として利用されたものです。初期の頃は江戸城建築のための資材の運搬に利用されました。その後も江戸の街の水運を支える重要な運河として活用され、現在も「日本橋」の下を隅田川まで流れています。日本橋再生のために首都高の一部地下化(神田橋JCT~江戸橋JCT)が計画されており、神田橋周辺で既に工事が着手されている箇所に遭遇し驚きました。
400年前の石垣には、天下普請に参加した大名達の藩の刻印が今も尚残っています。また、伊豆の石切り場から切り出した時の傷跡が石垣に生々しく残っていました。平川門から皇居に入ると、通用門と外堀では石垣の積み方の技術の使い分けがなされていることが歴然としていました。
東日本大震災の被害で長らく閉館していた九段会館が13年ぶりにこの10月にオープンしたとのこと。昔の面影を残しつつ美しく再建された「九段会館テラス」に立ち寄りました。同じく震災の被害を受けた江戸城の正門「常磐橋」。昨年5月、12年ぶりに美しく修復されたとのこと。江戸時代の「木橋」は、明治時代に「石橋」にかけ替えられ、現存する都内最古の石橋となっています。
東京の街は再開発の度にいろんな遺跡が発掘され、江戸の姿が次々と蘇ってきます。途中立ち寄った「滝沢馬琴」の住んだ家の井戸の跡、「一橋徳川家」の屋敷跡から発掘された庭園の跡、荷揚げ用の河岸(かし)として使われた外堀の外側のひとつ「鎌倉河岸」跡、ツアーの到着点の「北町奉行所」の下水溝の跡、等々。江戸の風景を想像しながらタイムスリップする楽しい旅となりました。
『古地図散歩の会』世話人 深田武寛
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