伊東の「R-Creations」と「うずわ飯」と「温泉」

 カレッジ2期生の亀平孝則さん(仁井田ゼミ、永井ゼミ)は東京都八王子市内に居住するが、別荘を静岡県伊東市宇佐美に持つことから同市伊東の商店街活性化に尽力するNPO法人R-shipの呼びかけに応えて伊東駅前から徒歩5分、湯の花通り商店街の一角にCafe&Bar「R-Creations」を出店した。ギター好きならではの趣向を凝らしたお店になっている。伊豆新聞(2023年1月11日)にも「空き店舗貸し出し軌道に」の記事が載った。

 歳末の東京駅9時発の踊り子3号に乗車して伊東駅10時44分着。駅前ロータリーを右手に数分歩くと湯の花通りがある。この商店街の中ほど右手に「R-Creations」のロゴが目に入り扉を開閉。

 縦長の店内にはギターが十数台並び、奥のカウンターで亀平夫妻が笑顔で迎えてくれた。

自家焙煎の珈琲を注文しようとすると「まず伊東の名物、うずわ飯を食べてきたら? 平日ならスキスキだけど土日は混んでいるから早く行ったほうがいい」と言われて並びの「楽味屋まるげん」に入店。ちょうど11時開店なので席に客はまばら。注文の約5分後に膳に載ったうずわ定食が出てきた。説明書を見て、①うずわを三等分にする、②うずわに青唐辛子を加えて醤油をつけて食べる、③うずわと青唐辛子を醤油に入れてかき混ぜ熱々ご飯と一緒にかけこむ、④1/3のうずわと半分残したご飯にだし汁を加えて茶漬け――をそれぞれ食す。個人的には茶漬けが気に入った。

 食後の珈琲はもちろん「R-Creations」。亀平さんは「上手に淹れられる時とそうでない時がある」と言ったが、経験の浅さは感じられなくて芳醇な香りと共に旨い。夫人はお嬢さんにも見える若々しさ。この日は「日帰りで応援に来た」とのこと。

 「店はいつ開けるの?」と尋ねると、「火・水・木曜を休みにして、金曜から月曜の11時から16時までぐらいかな?」とのこと。当面3月まで契約していて、客の入り次第で4月以降をどうするか判断するらしい。

 亀平さんが「せっかく伊東に来たのだから温泉に浸かってきたら?」と言うので湯の花通り、キネマ通りの先、阿部寛主演の映画「テルマエ・ロマニ」の舞台になった「東海館」に赴くも、へそ曲がりなので隣の「K’s House」に入る。こちらも築100年、国の文化財&源泉掛け流し温泉だ。ちなみに11時から15時までは清掃時間。受付の可愛らしい女性に「お国は?」と尋ねると「イランとのハーフです。ずっとイランで育ったので日本語がうまくなくてすみません」と答えたので「(イランとのハーフは)ダルビッシュと一緒だ」と叫ぶと「はい。親戚にダルビッシュがいます」と言うではないか。驚いていたら「ベースボールのダルビッシュではありません」とのこと。湯船に浸かると弱アルカリ性のナトリウム・カルシウム塩化物泉が体を癒やしてくれる。

 「R-Creations」に戻り2杯目の珈琲とワインを飲む。高齢の男性顧客が帰ると、亀平さんはギターで弾き語り。松任谷由実「恋人がサンタクロース」の替え歌「恋人がサンタクロース~♪ お店が閑古鳥~♪」と歌い出す。おかしいが申し訳なくて苦笑する。

 伊東の商店街は1988年12月の出火が強風に煽られ40棟以上を焼失させた。その火以来、商店街から少しずつ灯が消えシャッターが降りたままの店舗が増えているらしい。

 「シャッターを開けて街が元気になるために一肌脱いで温泉に入りたい」と言う亀平さんの男気に応えて、皆さん、イトウにイコウ。(土屋記)

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