【活動報告2023.5.25】(第25回)縁joy!日本書紀の会

開催日: 2023年5月25日(木)
開催場所: オンライン 
出席者[入会順、敬称略]: 荻野、関、増山、森本、宮嶋、深田、柳下、鈴木、(宇佐原)
<発表者> 関

今回は、第5段、神生みについて解説しました。ここは、本伝と一書として異伝11、計12の伝承があります。
第五段の最大のテーマは、「地上世界の統治者を生む」ということです。
まず、第五段本伝を三つのポイントでまとめました。

1 第五段は第四段の本伝の流れをうけて展開しているということ。
第四段において、大八州国という国の概念が生まれたことで、色々なものが明確になって、「ありとあらゆるもの」というニュアンスを山川草木の大自然の世界というカテゴリで表現して、ここでひとつ国が整ったということを伝えます。

2 神様はまず言表(げんぴょう)、つまり言い表す。そして行為に及ぶ。ここでの言表は、協議という形で伝えています。
陰陽の力を内在した二柱の男女神の自発的な行為として、共に「地上世界の統治者を生む」という目的のために協議=相談をして実現を目指す。これは、日本神話ならではの世界観といえます。

3 二柱の性の営みの結果生まれた子供(神)にはそれぞれ特性があり、その本来持っている性質の多様さが、神話に大きな展開を与えていきます。そして、イザナキイザナミは、生んだ子(神)に対して、その子の持つ性質・特性に応じた親の責任としての処遇を与えていきます。

3つのポイントを踏まえて、二柱神が生んだ、日の神(天照大神)、月の神、蛭児、素戔嗚尊に与えたそれぞれの特性に応じた処遇(日の神と月の神は天上界へ送り、蛭児は海に流し、素戔嗚尊は根國へ追放)の意味・理由を少し深く掘り下げて解説しました。

第五段の最大のテーマである「地上世界の統治者を生む」ということが、最終的に統治者が不在のままであることが、これから展開していく天つ神による国譲りから天孫降臨の道筋の正統性を語る上で重要なポイントになることを説明して今回の発表としました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次