約15キロの江戸城外堀を、5回に分けて散策する古地図散歩コース『江戸城外堀一周』の4回目と5回目、2回分のご報告です。4回目(3/31)は、四ツ谷から水道橋まで。そして、最終5回目(4/29)は水道橋からスタートし隅田川河口の柳橋が終着点。両日ともに好天に恵まれ、楽しい散歩となりました。
4回目(3/31) 四ツ谷から水道橋まで
4回目の主な見どころは3つの江戸城外堀御門。中央線は江戸城外堀の一部を埋め立てて線路が敷かれています。四ツ谷駅、市ヶ谷駅、飯田橋駅の3つの駅舎は、江戸の古地図では、外堀の四ツ谷御門、市ヶ谷御門、牛込御門のあたりに築かれました。3つの駅の周辺には当時の御門の石垣の一部がしっかりと残っていることを確認しました。
牛込御門のあたりの飯田橋駅西口は、近年、駅舎が美しく生まれ変わりました。1階デッキには「江戸城外堀跡散策案内図」という解説板が設置され、外堀が観光資源として活躍しているのは嬉しい限りです。駅舎2階に新設された「史跡眺望テラス」からは牛込見附跡と江戸城外堀跡の2つの重要文化財がよく見えました。
5回目(4/29) 水道橋から柳橋まで
5回目は、スタート前に「神田上水掛樋(かけひ)」を描いた歌川広重の浮世絵と現在の「水道橋」を見比べました。神田上水を江戸城外堀の上に渡す橋(神田上水掛樋)と現在の水道橋の位置は微妙にずれていることを確認できました。
ニコライ堂と湯島聖堂の二つの聖堂を結ぶ聖橋。ここを渡って湯島聖堂から神田明神まで足を延ばします。神田明神の境内の片隅に置かれていた「元萬世橋」の刻印のある古い欄干を発見。現在の「万世橋」ができる前に撤去された欄干がひっそりと保存されていたものでした。
神田明神から外堀に戻り、現在の万世橋まで歩きます。廃止された「万世橋駅跡」は再開発され、洒落た商業施設「マーチエキュート神田万世橋」に生まれ変わっています。この建物の2階には、1943年に消えてなくなった万世橋駅のプラットフォームが当時の石材を使って再現されており、タイムスリップ感満載。
神田川沿いを隅田川に向ってさらに歩くと、江戸城外堀最後の門、「浅草橋門跡」に到着。隅田川河口の手前には「柳橋」が架けられています。江戸のお金持ちは柳橋から船に乗って吉原に遊びに行ったのだとか。船宿から料亭に発展、花街として栄えた柳橋は、今もなおどことなくその風情を残す街並みでした。
次回の古地図散歩は秋口を予定しております。皆様のご参加をお待ちしております。
『古地図散歩の会』世話人 深田武寛
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