6月30日、「和太鼓を学び体感する」をテーマに、武蔵国府太鼓の伝統を継承する府中の翔駒会(しょうまかい)を訪ねました。
最初に翔駒会の八木会長より、和太鼓の仕組みやバチの部材など基本的なことについて教えていただき、大國魂神社のくらやみ祭りに所縁の武蔵国府太鼓についてご説明いただきました。
続いて、翔駒会の皆さんに全5曲を披露していただきました。腹に響く迫力ある響きと振動にまずは皆さんびっくり。演奏曲の中には、祭りなどの屋外演奏では聴くことができない「多摩川流れ打ち」もありました。この曲は、多摩川源流の一滴の清水が、せせらぎとなり、小川、河川に姿を変え、やがて大海に注がれるイメージを表現したものです。その他の曲の演奏前にも、それぞれの曲ができた背景やイメージを解説していただいたこともあり、一味も二味も違った深みを感じるミニコンサートとなりました。
その後、いよいよ体験タイムです。軽い準備体操で身体をほぐした後、会員の皆さんにバチの握り方や立ち位置・姿勢など、具体的に説明を受けながら、事前にご提供いただいた簡単な音符の基礎パターンに全員でチャレンジしました。予習の成果を確認した皆さんの表情はさまざまで、満足感に満ちた顔があったり焦りを隠せない顔があったり。しかし、翔駒会の皆さんの励ましをいただきながら繰り返し練習した結果、楽しく息の合った和太鼓体験をすることができました。
最後にお手本として同じ基礎パターンを翔駒会の皆さんに演奏していただきましたが、華麗で滑らか、身体に浸み入るようでまるで別物。会の皆さんのスキルや表現力の高さに感服し、ただただ脱帽です。
体験後は、少しの時間でしたが、会の皆さんとお話しすることができ、個別に積極的に質問をしながら今日一日の感謝をお伝えしました。
終了後、希望者が参加した懇親会では、身体を動かした心地よい疲れを感じながら充実した体験を振り返りました。
理屈ではなく、身体で感じることができた参加者の皆さんの感想(抜粋)をご覧ください。
・曲調・曲の主旨が異なるものを5曲もの演奏を聴かせて頂き有り難い経験でした。体験演奏はもっと簡単・短時間だと思っていましたが、結構、複雑な音符を長くやり試し甲斐がありました。音楽センスのない私が多分一番下手で(得の右手と左手のバチの使い分け)最後まで上手くはならなかったものの、やっている内に段々楽しくなりました。
・和太鼓の響きを身体全体で感じる人生初の経験でした。馬が駆け抜けて行く光景、源流の雫から大海に至る川の一生が目の前に広がる感覚を味わうことができました。また和太鼓を叩く体験では譜割りの通りに音を出すことに意識が向いてしまい、音楽として表現することの難しさ、素晴らしさを知ることもできました。
・これまでお祭りなどで和太鼓の演奏を聴く機会はたびたびありましたが、今回は間近で演奏を聴かせて頂けるだけではなくて、府中市の翔駒会の皆さんのご指導の下、自分でも体験できるということで参加させていただきました。今も、太鼓の音が楽譜とともに蘇ります。「どん、どコ、どん、どコ、どコ、どコ、どコ、どコ・・・」
・大國魂神社と「くらやみ祭り」が好きで神社の崇敬会員になるだけでなく、7年前に府中に引越してきました。引越し以来、武蔵国府太鼓の演奏は何度も拝見してきました。和太鼓の演奏連盟のメンバーにカレッジの仲間の中嶋さんがいたこと、しかもご近所に。そして『もっと会』のお陰で演奏体験までできたこと。何と幸せなご縁でしょう!!
防音施設のある会場での楽譜を見ながらの練習は何とも〝トホホ〟な結果に。。。最後に翔駒会の皆さんの演奏を再び拝見。練習体験をしたからこそ実感できる翔駒会の皆さんの躍動感に改めて魅了されました。
・翔駒会演奏は八木会長が、曲の由来や内容などについて最初に説明して頂いた後にお聞きしたので、楽しくまた興味深く演奏内容を感じることが出来ました。後半の太鼓体験では、思わず力が入ってしまい、手の皮が赤くなってしまい未熟な叩き方を反省しました、、、しかしながら皆さんと一緒に叩くと面白いですね。
最後に八木会長に演奏についてお聞きしました。楽譜や指揮者、ボーカルが無い中で色々なパートの方の演奏を如何に合わせるか不思議だったので、、、、会長からのご回答は、各パートの方は自分の演奏部分はしっかりと覚えてくるなかで、全体の演奏でタイミングを色々と計りながら演奏するそうです、同じ曲でも演奏の中で微妙に変わることもあるそうです、益々奥が深い世界でした、参加させて頂き大変ありがとうございました。
・改めて、スメタナの「モルダウ」を聞いてみました。管弦楽曲のこの曲をイメージした太鼓の楽曲では、雫が川となり、支流が合流して大きな流れとなり大海へと流れていく多摩川を感じることができ、また馬場のあった府中の歴史からつくられた楽曲では、馬のギャロップが聞こえました。打楽器が、こんなに物言う楽器だったとは・・・
20年ほど前に、娘に買い与えたコンガとボンゴの埃をはらってみようと思います。もっと会の企画に参加させていただくと、昨日と違う自分に出会えそうな気分にいつもなれます。
・とにかく楽しかった! ダーンと太鼓に撥を打ちつける音が空気を震わせながら圧縮して体にぶつかってくる。凄い!。体験は難しいところもありましたが、とにかく楽しくてあっという間に感じました。
・翔駒会の皆さんがそろいの衣装で登場されたのに興奮し、防音設備の整った室内での組太鼓のビンビンと体に振動を感じるド迫力に圧倒されました。会長さんの太鼓や府中市、大國魂神社についての簡潔なお話も大変興味深く、地元に根付いた素晴らしい活動だと思いました。
後半の和太鼓体験は、事前に楽譜をいただいていたとはいえバチを持つのも初めてのことで、ゆっくりとしたリズムはなんとかなったものの、だんだん早くなると無我夢中で打っていました。通しで演奏するところまで丁寧に指導していただきましたが、同じものを翔駒会の方が演奏されるととても同じ曲とは思えないほどの完成度で、体験してみて初めてみなさんの努力の程が身に沁みて感じられました。
・当日会長の説明、解説では和太鼓の歴史や奥深さの一端を知ることができました。翔駒会の和太鼓実演はとても素晴らしく、会場が室内であったこともあり、大変迫力のあるもので耳で聞くと言うより、まさに体で体感する感じでした。ZOOMでの事前レクチャー(中嶋さんからの楽譜の見方や打ち方ノウハウ等)があったことで、当日は比較的スムーズに和太鼓体験ができたことも良かったです。「和太鼓は、本当に奥が深い」と思った次第です。
・翔駒会の演奏は、演目ごとの解説を伺ってからというのがとても良かったです。2曲目はずっとリズムを刻み続ける一基の太鼓に釘付けになり、多摩川の様子を描いた演目では空調も切る心遣いに作品を大切にされていることが伝わってきました。体験は、始めのうちは無心で気持ちよく叩けていたのに、一度脱落すると大縄跳びで入るタイミングに戸惑う気分になりました。手ほどきしてくださる方の助けで、最後はそれなりになり(?)、とてもありがたかったです。
・これまでお祭りなどで太鼓の演奏は比較的身近に感じていましたが、今回はじめて室内の演奏で、屋外では感じ得なかった深く身体に響く音を体感しました。そして自分自身が太鼓を叩いてみた時には更に、身体の芯から太鼓の振動と一体になるような感覚でした。翔駒会の皆さんの演奏は素晴らしく、合戦の様子、川の流れなど、その風景が思い浮かぶ演奏にとても感動しました。また代表者の方のお話も、とても興味深く学びの深いものでした。歴史のお話はもちろんなのですが、特に印象的だったのは、大太鼓の素材には海外の大木を使っているというお話でした。勝手に和のものは国産が必須かと思っていましたが、和楽器が今後廃れることなく進化していく未来が見えたようで、少し嬉しくなりました。
・和太鼓に実際に触れるのは人生初の体験。この歳になってもまだまだ初めてのチャレンジはわくわくドキドキで、すごく真剣に頑張りました。太鼓はとてもシンプルな楽器ですが、やはりシンプルなものほど奥が深いと再認識。簡単そうに見えても実際に叩くと全然上手く出来なくて、改めて翔駒会の皆さんのカッコ良さと、おなかに響く迫力ある音に感動しました。でも、たとえ下手くそでも楽器の演奏は本当に楽しくて、特に皆で一緒に演奏出来たのが最高!
(記:森本曉)
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