【俳句の部】
季語:霜柱 江東区 小倉 芳子
・ 幼子の なんの花かと 霜柱
* 中庭の花壇にきらきらと霜柱が立っていました。散歩中の幼児が手を伸ばす姿を切り取りました。
季語:小春日 江東区 小倉 芳子
・ 小春日に つい誘われて 一万歩
* 大寒の日、窓越しに陽ざしがぽかぽかと風もなく久しぶりに散歩に出かけました。
季語:万両 江東区 小倉 芳子
・ ムクドリよ お節万両 良き日哉
* 小正月の日、芭蕉記念館の庭の万両にムクドリが降り立ち真っ赤な実をついばんで飛び立ちました。おもわずお前のお節だね、よかったねと心の内で寿ぎました。
季語:わらぼっち 八王子市 中野 茂男
・ 荒れ庭に雪降る朝のわらぼっち
* 姑が大事にしていた牡丹。嫁いだ娘が今年も守ったよう。濃艶な紅い牡丹が雪に隠れた庭のわらぼっちに似合ってました。
季語:鵙の贄 武蔵野市 夏目 重美
・ 天空の主に捧ぐる鵙の贄
(角川『俳句』令和4年2月号297頁)
* 獲物を枝先に差しておくモズの習性、本当の理由は良く分かっていないそうです。自然界の摂理への祈りなのかも知れません。
季語:寒波 武蔵野市 夏目 重美
・ 大陸を過り今年の寒波来る
(現俳多摩『多摩のあけぼの』会報第141号令和4年1月号6頁)
* 天気図を見ているとつくづく大陸の気象の動きと日本列島の季節感との繋がりを感じさせられます。
【好きな一句紹介の部】
武蔵野市 夏目 重美
・ よき酒のある噂なり冬の梅 井月
(竹入弘元『井月の魅力―その俳句鑑賞―』ほおずき書籍2012年3月121頁)
武蔵野市 夏目 重美
・ 雪の朝二の字二の字の下駄の跡 捨女
(永井孝次『女流俳家全集』内外出版協会明治36年5月116頁)
コメント